【最後のブログ②】猫・l’amant(ラマン) | 328 HOSTEL&LOUNGE
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【最後のブログ②】猫・l’amant(ラマン)

【最後のブログ②】猫・l’amant(ラマン)

いまでこそ地域の猫ボラ団体さんのキャッチ&リリースのおかげで数が減りましたが、ホステル開業当初の羽田は、野良猫があちこちの家の塀を闊歩する野良猫天国の町でした。

深夜到着のゲストを待つ間、ひまでひまでしょーがなかった私は勝手に野良猫に名前をつけるというひそかな楽しみをみつけ、たぬきに似てるから「たぬき」とか、太っているから「ぶー」とか、そう呼んでも振り向きもしないくせに、野良猫に名前をつけて、呼んで楽しむという暗い遊びにはまっていました。

そんなある日、オーストラリアのヘルパーNinaとラウンジから外を眺めていると、オレンジ色に光る猫が店舗の前を横切りました。”oh~ sooo, cute  cat” 。私と同様に猫好きの彼女が「かわいい」と言ったので、その場で猫の名前をヘルパーの彼女と同じ「Nina」と命名。
のちに「Nina」は、男の子とわかり”Ninazo”と改名しました。

茶トラのオスというのは、とても懐っこいといいます。
ゲストがこなくて深夜近くまで待っているとき、Ninazoは道路の真ん中でヘソ天しては、私のお触りしたい心を誘惑してきます。そのうちちょっとだけご飯をあげるようになると、さらに懐いてくれて、私がどこかへ出かけると、後を泣きながらついてくるようになりました(犬か?犬なのか・・・)あまりのかわいさに情が湧き、一時は自宅で飼おうか、と本気で考える始末。
そんなある日のひと、Ninazoの姿が町から消える、という事件がおきました。

そして、いなくなってから分かったこと・・・。どうやらこの猫、私だけの彼ではなかったのです。

Ninazoがいなくなってから、毎日見知らぬ人が328を訪れては「うちのザラメ知りません? よくこの店の前のベンチで寝てたんですけど・・・」「うちのチャチャここにいますか? 最近ご飯食べにこないから」「うちのちーちゃんどこですか?・・」

はて?? いったいいくつの名前を持ち、いくつの家を行ききしていたんだろうか・・?

何人かの訪問者の話をつなぎあわせると、どうも328から2ブロック先まで、たくさんの愛人宅があり、夜は主にうちに来ていたようですが、昼間姿が見えない時間はそれぞれのお宅でご飯をいただいたり、撫でてもらったり・・。自由きままなアドレスホッパー生活を送っていたらしいのです。

なかなかのジゴロじゃないか・・。あいつめ・・。

結局”Ninazo”は、猫ボラさんにキャッチされて、いまではどこかのお家で楽しく暮らしている、という結末を迎えるのですが、この出来事をきっかけに、さくら猫の活動に寄付しようと、羽田の猫ちゃんたちを描いたカレンダーを制作したこともありました。

Facebookページの表紙になっている猫の絵は、イラストレーターのミカミミカさんに描いていただいたNinazoくんと328の外観。デザインはお世話になっているミナミブラシさんにしていただきました。
このカレンダーは、ミナミブラシの南部さんのご尽力で、地元の本屋さんに置いていただけたり、イラストの展示即売会をラウンジで行い、ゲストさんにご購入いただいたり、猫をきっかけにした思い出がたくさんできました。

猫、やはり商売ネタにはうってつけです。

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