
梅雨に入りましたね。くせ毛の私はこのシーズンになると前髪だけストレートパーマをかけるのが長年の習慣になっているのですが、先日、はじめて訪れた地元の美容室で、目からウロコの出来事がありました。
そこは、どこかのゲストハウス(=328)とそっくりの、1日何名か予約制のワンオペスタイルの美容室です。
地元商店街の話題で盛り上がりながら、ベテランの美容師さんに、前髪に見慣れた白い液体を塗布してもらいます。さぁ、あとは時間を置いて流したら終了かな・・・と思う私。と、白い液体を持ったまま微笑む美容師さん。「液、余っちゃったんで前髪だけじゃなく、後ろも塗ってもいいですか? 余らせても捨てちゃうだけなんで・・・」と・・・。
こんなこと言われたのははじめてで、なんとなく断りずらく、本当は後ろはフワッとしている感じのスタイルが好きなのですが、つい「あ、は、はい・・・」と従ってしまいました。
これ、別にクレームでも何でもないのです。だって、その美容師さんは「お客様のためによかれ」と思って提案してくれたのだから・・。客側の私は、嫌だったら断ればいいだけの話。ですので、美容師さんには何の落ち度もないです。
ただ・・・。ね。 きっとずっとそういうスタイルでやってこられたんだなぁ・・と・・。
私もなんか、おんなじかなぁ・・・と・・・。
昨今の世の中は、コスパとタイパのオンパレードです。
うちのゲストハウスが選ばれるのは、コスパ(周辺ホテルより安い)、タイパ(空港から近い)に他ならないわけですが、私がゲストに絡むことが多いため、コスパで選んだのに、なんか話しかけられて面倒、とか・・。タイパで選んだのに、施設利用説明が長い、とか、「空港近くのアットホームなゲストハウス」というニュージャンルゆえ、客層とのミスマッチがしばしばおきがちでした。
「ゲストハウス、なんでやめちゃうんですか?」と、聞いてくださる常連さんもいるのですが、まさにこれも理由のひとつ。
長年経営していると、だんだんとゲストのニーズと宿のポリシーとの乖離が激しくなってきます。
また、経営に関しても、ワンオペゆえ、厳しく注意されることがないから、どんどんザルになっていく・・・。
そんな感覚を、なんとなーくこの2〜3年持ち続けていたんです。
「宿業、少し充電したらまた始めたくならないですか?」
今朝、”とほ宿”がお好きなゲストさんとコーヒーを飲みながら、そんな話になりました。
なるかもしれないですけど、もう東京ではやらないかもなぁ・・。
これだけは、なんとなく確信がある今の気持ちです。
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